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【仮定法を克服する】could を使うと依頼が丁寧になる理由

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can より could を使ったほうが、丁寧な疑問文になる。

これはよく知っている。

でもなんで?

実は仮定法の持つ非現実的なニュアンスが丁寧さを作り出している。

そのあたりについて順を追ってまとめた。

クミ
クミ

“Can you~?” より “Could you~?” の方が丁寧になるよ

ケン
ケン

なんで過去形にしたら急に丁寧になるの?

クミ
クミ

え、だってそういう風に教わったから・・・

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仮定法とは?

仮定法をここでは妄想の表現と考える。

例えば、

「もし僕が鳥だったら」

「もし子供のころに戻れるなら」

「英語が流暢に話せたら」

「サッカーが上手かったら」

のように不可能なことや、自分の能力では到底叶いそうにないことに対して「でも、もし叶うなら・・・」と現実離れした発想を表現する方法で↓のような表現。

If I had money, I could travel around the world.
お金があったら、世界一周旅行できるのに(できるかもしれないのに)。

(正確にはいくつか用法があるが、ここではこの形だけを考える)

仮定法の文のつくり

↑の例文の赤文字に注目。

have の過去形 had と can の過去形 could が使われているが「お金があるなら世界一周旅行できる」というのは現在のことを言っている。

「(過去に)お金があったら、世界一周できた」という意味の文ではない。

現在のことを述べているのに過去形を使う。

これが仮定法の特徴。

ケン
ケン

現在のことなのになんでわざわざ過去形にするの?

なぜ過去形を使うのか?

過去形を使わず “If I have money, I can travel around the world.” とした場合、文の意味が変わる。

現在形を使った表現の場合「(もうちょっと)お金がたまったら、世界一周できる」くらい現実的なニュアンスになり、叶わない妄想ではなくなる。

(実はこの文も仮定法のパターンの1つだけど、今回は無視)

つまり、赤文字のところに現在形を使うか過去形を使うかによって、世界一周が話し手にとって現実的か非現実的かといった違いが出てくる。

ケン
ケン

現在形と過去形で意味が違うのはわかったけど、なんで時制の違いで表現しちゃうの?

「過去形」を「仮定形」と考える

過去と現在には距離がある。

10年前であろうと1秒前であろうと、過去は現在とは離れた位置に存在する。

一方で非現実である「仮定」の世界も「現実」の世界から距離を置いた場所に存在すると考える。

この現実離れの距離を、時の距離と同様の形で表現しているのが仮定法。

「現在形」で「現実」を表す。

「過去形」で「仮定」を表す。

ということ。

「現在形」「過去形」ではなく、いっそ「現実形」「仮定形」と割り切って考えてしまった方がわかりやすい。

↓イメージ。

<仮定法のポイント>

現実離れした「仮定」の表現では過去形を使って現実から距離を置く(一歩引く)

「現在形」=「現実形」

「過去形」=「仮定形」

クミ
クミ

現実形とか仮定形なんて言葉は本当はないけどね

could の基本的な使い方

can の仮定形(非公式な言葉)である could は↓のような形で、日常の様々な場面でよく使われる。

<仮定形 could の用法>

現在・過去・未来の推量:時を限定しない「~かもしれない」

丁寧な依頼:「~していただけませんか?」

丁寧な許可の要求:「~してもよろしいでしょうか?」

現在・過去・未来の推量

仮定法の持つ非現実のイメージから「(ひょっとしたら) ~かもしれない」というニュアンスに。

そこから「推量」の表現ができる。

しかもこの could は、現在・過去・未来のいつのことであろうと時に制限されることなく使うことができる。

例えば「現在の推量」だと、

She could take it into account.
彼女はそれを計算に入れているかもしれない。

  • take A into account:Aを考慮する
ケン
ケン

今現在彼女がそうしているかもしれないってことだね

「過去の推量」だと、

She could have taken it into account.

彼女はそれを計算に入れていたのかもしれない。

少しややこしいけど、仮定法のニュアンスを含んだ表現を過去形にする場合は could + have + 過去分詞 の形。

「現実」から「仮定」に1段階、そして「現在」から「過去」へ1段階と、現在形の can を使う表現から2段階距離を置くため。

1段階目:can takecould take(現実から仮定の世界へ)

2段階目:could takecould + have + 過去分詞(現在から過去へ)

ケン
ケン

2段階目は過去形が完了形に変換されて1段階ってことね

「未来の推量」。

She could take it into account.

彼女はそれを計算に入れるかもしれない。

ケン
ケン

こっちは「今後そうするかもってことだよね

でもあれ?

現在の推量と全く同じ文章だ

「現在の推量」も「未来の推量」も同じ文章になるという不思議。

丁寧な依頼 Could you ~?

非現実のイメージを持った仮定形 could を依頼の形にすると「ひょっとしたら可能でしょうか?」「もしかしたら可能でしょうか?」と、かなり控えめな態度になる。

こちらの依頼を聞いてもらえる可能性が低いと考える聞き方をするほど丁寧さが増す。

Could you send us the substitute?
代替品を送っていただけないでしょうか?

  • substitute:代替品

現実形の can だと「ひょっとして」「もしかして」といった気持ちが含まれず「代替品を送ってもらえません?」と、依頼を聞いてもらえるつもりで言っているように聞こえる。

少し押しつけがましい印象。

友人や家族、同僚と話すときに can を使うのは自然だが、取引相手などには丁寧な could を使ったほうがよい。

クミ
クミ

相手の気持ちを優先して依頼するから丁寧に聞こえるんだね

丁寧な許可の要求 Could I ~?

Could I ~? の形で許可を求めることもできる。

依頼の表現同様に仮定法の持つ控えめなニュアンスによって、許可を求めるときの丁寧な表現になる。

Could I tell your phone number to Mr. Sato?
あなたの電話番号を佐藤さんにお伝えしてもよろしいでしょうか?

丁寧表現のバリエーション

could を使った表現にさらに丁寧さを加えることもできる。

下に行くほど丁寧さが増す。

<could を使った丁寧表現のバリエーション>

① please を付ける

Could you please let us know the serial number of the product?
その製品のシリアル番号をお知らせいただけないでしょうか?

  • product:製品

② possibly を付ける

Could you possibly check my report and add in some details?
もし可能であれば、私の報告書をチェックして詳細を追記いただけないでしょうか?

  • possibly:ひょっとすると、もし可能なら
  • add in A:Aを追加する
  • detail:詳細

③ Do you think で遠回しにたずねる

Do you think you could assign extra workers to the task?
その仕事に追加の従業員を割り当てることが可能とお考えでしょうか?

  • assign A to B:AをBに割り当てる
  • extra:追加の

④ I was wondering if ~ で遠回しにたずねる

I was wondering if you could come to our facility.
私たちの施設にお越しいただかないかと思っていたのですが。

  • facility:施設

⑤ 仮定法を使って相手に委ねるように

We would be grateful if you could respond quickly.
早急にお返事いただければ幸いです。

  • grateful:感謝する
  • respond:返答する
  • quickly:早急に

丁寧さが増すと、相手に行動を促す度合いが弱まる。

対応を促す場合などは、逆に丁寧になりすぎないように気を付ける。

ケン
ケン

時には毅然とした態度も必要だね

まとめ

<仮定法のポイント>

現実離れした「仮定」の表現では過去形を使って現実から距離を置く

「現在形」=「現実形」

「過去形」=「仮定形」

<仮定形 could の用法>

現在・過去・未来の推量:時を限定しない「~かもしれない」

丁寧な依頼:「~していただけませんか?」

丁寧な許可の要求:「~してもよろしいでしょうか?」

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