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【助動詞を理解する】shall は古い?使わない?実際の使用事情はどうなのか?

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助動詞 shall が日常会話で使われることはほとんどなくなってきているらしい。

もともとは will のように使われていた shall だが、自分の学生時代は Shall I ~? や Shall we ~? の申し出や勧誘の表現を習った覚えがある。

ただ、この表現すらアメリカでは使われず、イギリスでも稀で、もはや死語扱いされるらしい。

ケン
ケン

じゃあもう覚えなくていい?

とはいえ、実はビジネスの世界では正式な文書に使われるなどまだ完全な死語ではない。

そういう訳で、今回は助動詞 shall について使えるのかどうかも踏まえて学習する。

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shall を使って表現できること

shall を使って例えばこんな表現ができる。

「そろそろ昼食にしましょうか?」(勧誘)

「荷物をお運びしましょうか?」(申し出)

「もう一度トライしてみましょうよ?」(Let’s ~ の付加疑問)

↑が日常でもまだ使われる表現で、逆に言うとこれだけしか使い道がないとも言える。

↓は日常ではあまり使われないとされる表現。

でも実は、契約書や規約などといったお堅い文書でよく使われていたりする。

「不合理に同意を留保してはならない」(フォーマルな義務・法律など)

「我々はこの危機を必ず乗り越える」(ドラマチックな意思表示)

shall の核となるイメージ

shall は本来 will と同じように「必ず~する」ということを表す助動詞。

ただ、ここに「神の意志」が加わったものが核のイメージになる。

<shall の核となるイメージ>

shall(神の意志により)必ず~する

ケン
ケン

何を言っているんだ・・・

shall と will の違い

「(神の意志により)必ず~する」と言われても、なかなかピンとこないが、要は will の「必ず~する」よりもっと強い決意ということらしい。

※will については↓の記事をご参照。

will の場合も「必ず~する」という強い意志が感じられるが、これは自分の強い意志「やるぞ」という気持ち。

対して shall は「神の意志」なわけだから、そうする「運命」であり、その通りに「進むべき道」があるといったニュアンスになる。

クミ
クミ

will は自分の意志

shall は神の意志

神の意志というのはその義務を背負っているということね

偉人の言葉から shall の持つイメージを感じ取る

実際に shall が使われた偉人の言葉でイメージを捉えてみる。

I shall return.
俺は戻ってくる。

—–Douglas McArthur

戦線からの撤退を余儀なくされたマッカーサーが、残した言葉。

「この失態を必ず取り戻す、それは私の宿命だ」と、こんな感じで言ったものだと思われる。

もちろん自分の意志なので shall の代わりに will が使われてもいいが、この時のマッカーサーの固い決意が shall を使うことでより伝わってくる。

Determine that the thing can and shall be done, and then we shall find the way.
そのことを「できる」「やる」と決意せよ、必ず道は開かれん。

  • determine:~を決定する

—–Abraham Lincoln

第16代目アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの言葉。

“shall be done” には「何が何でもやる」という気持ちが込められ “shall find the way” には「進むべき道が必ず示される」という確信の意が込められている。

リンカーンは失業や落選など数多くの失敗を経験した相当な苦労人として有名。

そんな歴史的な偉人は、まさにこの言葉通り、運命を信じて進むべき道を進んできたのだろう。

ケン
ケン

言葉に重みがあるね

We shall never know all the good that a simple smile can do.
ただの笑顔がもたらす大きな幸福を私たちは知る由もない。

—–Mother Teresa

マザー・テレサの言葉。

“shall never know” で「知ることはない」となるが、この言葉には「私たちはそんなことに気が付けないでいる」から「どうか気付いて」というメッセージになっているものと解釈。

偉人達の言葉を見るに、日常会話で聞くようなことはほとんどないにしても shall には最上級に強い意志のニュアンスがあることが感じ取れる。

クミ
クミ

こんなイメージがあるって知るとちょっと面白いね

日常的な使い方

日常会話で shall が使われるとすれば、主に「勧誘」「申し出」と、あとは Let’s ~ の付加疑問。

これだけ覚えておけば普通の会話で困ることはなさそう。

これらの使い方に、先に述べたような強さは感じられないが、実はちゃんと「神の意志」「運命」「進むべき道」といったイメージが含まれている。

<shall の日常的な使い方>

勧誘:「~しませんか?」

申し出:「~しましょうか?」

Let’s ~ の付加疑問:「~しよう。どう?」

勧誘

Shall we ~? で「~しませんか?」という「勧誘」の表現。

Shall we dance?
踊りませんか?

ベタな例文だが Shall we ~? は社交ダンスのお誘いのような上品なイメージに合う(と思う)。

この「勧誘」の表現にも shall の持つ「進むべき道」のイメージが隠れていて「私たちにとって一緒に踊るのは進むべき道ではないですか?」「神の御示しではないですか?」といった感じ。

クミ
クミ

踊りましょう

申し出

Shall I ~? で「~しましょうか?」という「申し出」の表現になる。

「勧誘」の表現の we が I に変わるだけで、意味が変わる。

Shall I help you?
お手伝いしましょうか?

これも無理にイメージと結び付けて訳すと「手助けするのは私の進むべき道ではないでしょうか?」という感じになる。

相手に手を差し伸べるような表現。

「お手伝いしましょうか?」というよりも「お手伝いしますよ?」くらいに、手伝う気満々な姿勢。

Let’s ~ の付加疑問

Let’s ~, shall we? という少しカジュアルな「勧誘」の表現。

Let’s go to the aquarium, shall we?
水族館に行こうよ。

  • aquarium:水族館

Let’s ~ はおなじみの「~しようよ」という強い誘いの表現だが、付加疑問という形で shall we? を付けると「そうしません?」と少し一方的な印象が和らぐ。

ケン
ケン

「今日晩御飯一緒に食べようよ。どう?」みたいな感じだね

クミ
クミ

shall の過去形 should を使った表現もあるけど、詳しくは↓の記事で

日常ではあまり使われない shall の肯定文・・・だけど

shall を使った肯定文は、なかなか日常会話では耳にすることはない。

ただ実は、ビジネスパーソンにとってはまだ目にする機会が多い。

なぜなら shall は契約書や規約などといったフォーマルな文書では好まれて使われるから。

shall の肯定文

フォーマルな義務・法律など :「~すること」「~するものとする」など

ドラマチックな意思表示:「~する」※ will よりさらに強い意志

※日常表現ではほどんど使われない

フォーマルな義務・法律

フォーマルな義務や決定などが記された書面では shall がよく見られる。

「~するものとする」や「~すること」と訳すとしっくり来る。

クミ
クミ

どういうこと?

例えば↓の文のように、航空会社の利用規約などでは乗客の義務が shall で記載されている。

All passengers shall comply with relevant regulations.
すべての乗客は、関連する規制を遵守するものとします。

  • passenger:乗客
  • comply:従う
  • relevant:関連がある
  • regulation:規則

また、↓の文は同意書など固く約束を取り交わすような書面の表現。

We shall not disclose any of these information to any third party.
これらのいかなる情報も第三者に開示いたしません。

  • disclose:公表する
  • third party:第三者

↓契約書では will より義務感のある shall が好まれる。

The seller shall deliver the product to the buyer on or before 15th August, 2021.
販売者は2021年8月15日までに購入者へ製品を届けること。

  • seller:販売者
  • deliver:配達する、届ける
  • product:製品
  • buyer:購入者
クミ
クミ

「~しなければならない」と解釈してもよさそう

↑の例文は will を使った表現でも意味上の問題はないが、もし同じ契約書上で他に shall を使った文がある場合は注意が必要。

英文契約書では「違う言葉は違う意味」として考えられることが普通で、同じ契約書上に shall と will を混在させると、何か特別な意図があると解釈される可能性が高いため。

その場合 will は shall より弱い義務だと受け取られて、やらなくてもいいこととみなされてしまうかも。

このため、特別な理由がない限りは1つの言葉に統一する。

ケン
ケン

そんな捉え方をされるんだね

↓議事録などでも使うことがある。

All outstanding issues in this document shall be dealt with appropriately and reported to the buyer.
Action by: Jobeigo, Ltd.
Due date: 20th. July, 2021
この書面上のすべての未解決の問題は適切に処理され、購入者に報告されること。
担当:Jobeigo, Ltd.
期日:2021年7月20日

  • outstanding issue:未解決の問題
  • document:書面
  • deal with A:Aを処理する
  • appropriately:適切に
  • report:報告する

過去海外のお客さんから「議事録の will を shall にタイプし直して」と言われた経験あり。

ドラマチックな意思表示

フォーマルな文書同様に will の代用として shall を日常生活で使うとドラマチックな表現に聞こえる。

We shall never forget that day.
我々はあの日のことを忘れない。

I shall revive.
俺は甦る。

  • revive:甦る
ケン
ケン

映画のワンシーンみたいだね

勧誘・申し出の代わりの表現

Shall we ~? や Shall I ~? を使った「勧誘」「申し出」の表現も、今ではあまり使われないのであれば何か別の表現で代用されているということになる。

↓はその代用表現。

<shall を使わない勧誘・申し出>

  • Why don’t we ~?
  • Do you want me to ~?
  • Would you like me to ~?
  • Can I ~?

Why don’t we ~?

Why don’t we ~? で「私たちはなんで~しないの?」から「~しませんか?」という意味。

Why don’t we go for a drink tonight?
今夜飲みに行かない?

少しカジュアルな表現で、よく使われる。

Do you want me to ~?

Do you want me to ~? で「私に~してほしい?」から「~しましょうか?」 という表現になる。

Do you want me to check his schedule?
彼のスケジュールを確認しましょうか?

これもちょっとカジュアルな表現。

Would you like me to ~?

Would you like me to ~? で「~いたしましょうか?」と表現できる。

Would you like me to replace the towels in your room?
部屋のタオルを交換いたしましょうか?

  • replace:~を取り換える

Do you want me to ~? の丁寧版で would を使った丁寧な定番表現の1つ。

Can I ~?

Can I ~? は、許可を求める表現として使う場合もあるが「~しましょうか?」という意味でも使われる。

Can I book a hotel for you?
あなたのホテルを予約しておきましょうか?

  • book:予約する

まとめ

<shall の核となるイメージ>

shall(神の意志により)必ず~する

<shall の日常的な使い方>

勧誘:「~しませんか?」

申し出:「~しましょうか?」

Let’s ~ の付加疑問:「~しよう。どう?」

<shall の肯定文>

フォーマルな義務・法律など :「~すること」「~するものとする」など

ドラマチックな意思表示:「~する」※ “will” よりさらに強い意志

※日常表現ではほどんど使われない

<shall を使わない勧誘・申し出>

  • Why don’t we ~?
  • Do you want me to ~?
  • Would you like me to ~?
  • Can I ~?

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