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【ビジネス英語】海外顧客対応のフレーズと基本のマナー

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海外対応をする以上、文化の違いは避けて通れない課題となる。

日本人には日本人の良いところもあり、すべて海外方式に合わせる必要もないと思いつつ、まったく何も知らないままエチケットに反することもしたくない。

ある程度押さえておくべきマナーと、使えそうなフレーズをまとめた。

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挨拶と自己紹介

挨拶と自己紹介は、まず定型文を覚えておく。

スモール・トークまでできればいいが、とりあえずおどおどした挨拶で自信がない人みたいな悪印象を与えなければ合格ラインと考える。

自己紹介

名前に会社名もしくは部署名や自分の立場などを合わせて程々に伝える。

I’m Hisato Takeda from ABC corporation.

ABCコーポレーションの武田ヒサトです。

My name is Hisato Takeda. I work in Quality Assurance.

武田ヒサトと申します。品質保証部に所属しています。

  • quality:品質
  • assurance:保証

My name is Hisato Takeda. I’m in charge of Planning & Development.

企画開発を担当しています。

  • in charge of A:Aを担当している
  • planning:企画
  • development:開発

「ネイティブスピーカーは “My name is ~” なんて使わない。拙者は~でござると言っているようなものだ」なんてことを聞いたこともあるが、割とよく使われている印象。

一応ネイティブの人にも、気になって確認したことがあるが「おかしくはない」とのこと。

「発音の短い “I’m ~” がよく使われる傾向ではないか」「相手(特に非ネイティブや子供)にわかりやすく伝えようとする場合には “My name is ~” を使うと思う」といったことを教えてくれた。

少しフォーマルに感じるのは “My name is ~” らしい。

さらに「どちらが完璧な英語かというのは、ネイティブスピーカーにもわからない」とのこと。

はじめまして

It’s nice to meet you.

はじめまして。

学校で習った “Nice to meet you.” 「はじめまして」の頭に “It’s (It is)” を付ける。

これもネイティブから教わった。

文章を完成形にした方が、丁寧でビジネスっぽいらしい。

ケン
ケン

“Nice to meet you.” について深く考えたことなかったけど “It’s” が省略された文章だったんだね。

あと英語では相手の挨拶の言葉をそのまま返すのではなく、違った表現で返すことが好ましいとのこと。

同じ言葉でオウム返しをするだけだと、少し機械的な印象になってしまうらしいので、↓のような表現も覚えておく。

It’s a pleasure to meet you.

お会いできて嬉しいです。

さらに返答として↓、

The pleasure is mine.

こちらこそお会いできて嬉しいです。(その喜びは私のものです)

↓の表現も使える。

I’ve been looking forward to meeting you.

お会いするのを心待ちにしていました。

以前に会ったことがあれば “meeting” を “seeing” に変える。

※ “meet” は初めて会うときに使い “see” は再び会うときに使う

これまでメールや電話でやり取りをしていたのであれば、↓のようなフレーズもよい。

I’m so happy that I could finally meet you.

やっとお会いできて大変嬉しいです。

  • finally:ついに

既に面識があった場合

It’s nice to see you again.

またお会いできて嬉しいです。

前述の「はじめまして」の例文で “meet” を “see” に変えれば、再開した時の挨拶になる。

↓は久しぶりに会った時のフレーズ。

It’s been a long time.

お久しぶりです。

How have you been?

ご無沙汰しております。(どうされていましたか?)

同じ意味で “long time no see.” という少しカジュアルなフレーズもある。

最初からファーストネームを押し付けない

ビジネスでも親密な関係になれば、ファーストネームで呼び合うことはよくある。

とはいえ、最初から “Call me Hisato.”「ヒサトと呼んでください」のように言ってしまうと、馴れ馴れしくて印象があまり良くない。

「英語圏では必ずファーストネームで呼び合う」というのは誤解。

ただ、日本人の名前は海外の人達にとって覚えたり、発音したりするのが難しいと感じることもある。

こんなときは↓のように言っても大丈夫。

My name is Hirofumi Takahashi. You’re welcome to call me Hiro for short. That is easier to remember.

高橋ヒロフミと申します。よろしければヒロと呼んでください。その方が覚えやすいですので。

  • for short:略して

“you’re welcome” は ここでは「自由に~していいですよ」という意味で「どういたしまして」ではない。

握手のエチケット

相手への敬意、好意を示す握手も、やり方によってはマナー違反になる場合がある。

ただ、国や地域によってやり方の傾向が異なることもあり、一概に「握手はこうするべきだ」というのは難しい。

基本的に気を付けておく点をまとめる。

握手は右手で

握手がされるようになったのは、欧米の長い戦いの歴史に関係があるらしい。

武器を持っていないこと、危害を加える意思がないことを、手の平を見せて握り合うことで示すようになったとか。

「握手は右手でするのがエチケット」という考え方があることに加え、ヒンドゥー教、イスラム教では「左手は不浄の手」と考えられる。

左手で握手をすることは、相手への拒絶や嫌悪の意思表示にもなり得ることから、右手を使うことを習慣とする。 

クミ
クミ

とにかく握手は右手で

強く握る or 軽く握る

軽く、柔らかく握るのは “limp fish handshake”「死んだ魚を握らされたような握手」と言われ嫌われる。

基本的には痛くない程度にしっかり握ることが良しとされる。

イギリス人は軽く握る傾向にあるだとか、握手した手を上下に振る、振らないだとか地域によって習慣が異なるよう。

相手に合わせるというのも1つのテクニック。

目を合わせる

握手をする際は、相手の目を見る。

目を合わせないことは、何かを隠しているかのような後ろめたい印象を与えるため。

さらに、お辞儀をしながら握手するという行為、両手で握手するという行為は、本来エチケットに反する。

何かを乞うような印象となるため。

ケン
ケン

やってたなー

目上のひとから手を差し出す

一応、握手は目上の人から手を出して行われるというルールがある。

とはいえ、普段の仕事ではそこまで気にしている人もいないような気がする。

クミ
クミ

とりあえず頭には入れておこうかな

自分が男性、相手が女性の場合

男性であれば、基本的に女性の方との握手は相手から求められた場合にのみ行う方が無難かもしれない。

特に、相手がムスリム(イスラム教徒)であれば「コーラン」という規律の解釈により女性は家族以外の男性と握手することができないとされているらしい。

このため、ムスリムの女性は握手をせず、代わりに手を胸に当てる所作をされることがある。

ただビジネスにおいては、握手を受け入れている人もいる。

ケン
ケン

これは相手によって考え方に違いがありそうだね

名刺交換の文化の違い

昔、研修で学んだ「初めて会った相手と早速名刺交換」「対面して両手で名刺を持って、社名と部署名を正式名称で言い合う」「相手より名刺を上にしない」「先に渡すまたは同時に渡す」といった細かい決まり事は海外にはない。

クミ
クミ

最近は日本人同士でもそこまでしないかも

中国や韓国の方たちとお会いしたときは、日本と似ていたが、名前と立場を簡単にお伝えする程度だった。

社名までは言わない。

欧米では、名刺は商談の後に渡されることが多い。

日本では名刺をその人の分身のように丁寧に扱うかもしれないが、ほとんどの国の人にとっては、名刺はあくまで連絡先を伝えるための手段らしい。

このため、海外の方が渡した名刺を直接ポケットに突っ込んだり、落書きを始めたり、片手で受け渡しがされたりと、経験がないうちは少し驚く。

あと、よく名刺を切らしている人もいるし、名刺交換を行わないこともある。

逆に、日本式は最初に全員に連絡先をばら撒いてどうにか商売につなげようとしている営業的な印象を与えるとも言われる。

相手が日本の文化に理解があって合わせてくれているときもある。

ちょっとした気遣いのフレーズ

ゲストをお招きした時に使えそうな気遣いのフレーズ。

Let me help you with the bag.

カバンをお持ちしますよ。

↑キャリーバッグなどの大きな荷物があれば、手助けを申し出るといいかもしれない。

Would you like me to take your jacket?

コートをお預かりしましょうか?

↑部屋についてから、コート掛けのハンガーを手に取って。

“Do you want me to ~?” は少しカジュアルな表現。

丁寧に響く “Would you like me to ~?” の方がベター。

Please have a seat.

どうぞ席に腰かけてください

↑学校の授業で先生がよく言ってた “Please sit down” は命令のように聞こえるから使わない。

How is the room temperature? Would you like me to adjust it?

部屋の温度はいかがでしょう?調整した方がよろしいでしょうか?

  • adjust:~を調整する

↑海外から来られた人が、寒い冬でもびっくりするくらい薄着のことがある。

体感温度に違いがあるらしく、どう感じているのかは聞かないとわからない。

Here is the restroom. / The restroom is out side at the end of the hall.

ここがトイレです。 / トイレは部屋を出て突き当りにあります。

↑トイレをそのまま “toilet” とは言わない。

国によっては「トイレの便座」という意味で取られる。

ちなみに、トイレの表示でよく見かける “WC” は “Water Closet” の略。

ただ、この表現はあまり日本以外では使われていない。

“Restroom” もしくは「公衆トイレ」を丁寧に表現した “lavatory” あたりを使うのが無難。

ケン
ケン

媚びるんじゃなくて、さりげない心遣いができるといいよね

言葉よりも態度

どんなにきれいな言葉を発しても、表情や態度次第で印象が大きく変わる。

大事なのは自信を持った態度。

「相手の目を見て話す」「背筋を伸ばして堂々とする」「ハキハキと話す」といった点に気を付ける。

自信がなさそうな人は「本当にこの人に任せて大丈夫なのかな?」と思われ、取引では不利になる。

声のトーンや大きさにも注意が必要。

常に大声で明るく、ジョークを交えながらというのは必ずしも正解ではない。

相手の声に合わせて、対話ができる雰囲気を心掛ける。

表情はスマイルが好印象だが、商売目的と思われないよう程度を考えて自然に。

あまりニコニコしすぎていても「緊張感がない」「信用できない」「上っ面で話しをしている」と感じられてしまうかもしれない。

おすすめの本

外資系1年目のための英語の教科書

ビジネスで役に立つ英語とマナーの両方を一緒に解説している本です。

著者のマヤ・バーダマンさんは、英語圏での教育、生活を経て外資系企業へ入社。

英語圏で生活してきた著者にとっても、ビジネス英語はこれまで触れてきた英語とは少し違ったものだったようです。

そんな著者が、仕事を通じて研究したという実戦的なフレーズが多く掲載されています。

ビジネスエリートが実践している 異文化理解の全テクニック

日本と海外の文化の違いと一言で言っても、海外の国々でもそれぞれ文化は異なります。

この本では、アメリカ、ヨーロッパ、中国、イスラム諸国、ベトナム、アジア諸国、インドと多様な文化を取り上げて紹介しています。

もちろん現実世界はより複雑で、あくまで参考程度にではありますが、異文化理解の意識は高まるものと思います。

「どちらがいい悪いではなく違いを認める」「日本人のいいところは大切にし、海外の優れた点は取り入れる」そんな著者の和魂洋才の精神が伝わってきます。

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